広島政界裏話 河井克行氏・河井あんり(案里)氏編

河井夫妻を巡る数々の疑惑から事件へとなりました。小生は疑惑報道前から一貫して夫妻の問題を取り上げて来ました。夫妻の問題だけでは留まらず、各所に波及し始めています。司直には徹底的な捜査を期待し、夫妻には議員辞職を求めます。

(第164回)公判スタート。

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8月26日、朝日新聞

 

昨年夏の参議院議員選挙を巡る

河井あんり氏陣営による多額かつ大規模な買収事件。

 

25日、初公判が行われ、

今後も55回を超える審議が開催される予定という。

 

既に様々なメディアで、初公判の様子は報道されているが、

河井克行氏、あんり氏の発言や

検察側、弁護側の発言が判明したので

該当発言を切り取り、分かりやすく綴ってみる。

 

 

河井克行氏、河井あんり氏は共に

罪状認否で、

 

河井克行氏)

「それぞれの供与について申し上げますと、私の記憶が判然としない部分もありますが、供与自体については概ねその通りであると思います。」

「いずれの供与についても河井あんりに対する投票または投票の取りまとめ等の選挙運動を依頼する趣旨で供与したものではございません。」

 

(河井あんり氏)

「私は、夫と共謀したことはありませんし、私の当選を目的として、公訴事実第一に記載された5名に選挙運動を依頼し、その報酬として、現金をお渡ししたことはありません。」

「私は立候補届け出前に、選挙運動そのものをしたことが無く、立候補届け出前には、自民党の党勢拡大のための政治活動や選挙運動の準備行為を行っていただけです。」

 

と発言し、

現金の提供に関しては大筋で認めたものの

買収の意図はなく、無罪を主張。

 

検察側は、河井克行氏は総括主宰者であると指摘し、

 

「被告人克行は、本件選挙の選挙運動における各業務の担当者を選定して、その役割を決定することにより選対本部の人員体制を策定し、各担当者にその役割等を指示した上、各担当者の担当業務の日々の進捗状況等を把握して、各担当者に対して詳細な指示を行い、選挙運動費用についてもその支払状況等を把握して、多額の支払いについては自己の了承を事前に求めさせる等していた。」

「被告人克行は、本件選挙の選挙運動全般を取り仕切る立場にあって、被告人あんりの立候補届出後は、公職選挙法251条の2第1項第1号に規定される総括主宰者の立場にあった。」

 

検察側は、100名に及ぶ被買収側の

実名や金額。日時、場所等を読み上げ、

なりふり構わず、大規模買収を行ったと指摘。

 

「被告人克行は、これらの県議、市町議、首長らに対し、被告人あんりへの投票及び投票とりまとめ等の選挙運動を依頼するとともに、その報酬として現金を供与することとした。」

「被告人克行は、広島県第三選挙区外の行政区域内選出の県議、市町議、首長らについては、そのうち以前から自身と付き合いのあった者や、被告人あんりが、その県議時代に親交のあった者等に対し、さらにはそれまで自身とほとんど接点の無かった者や、近時疎遠になっていた者に対しても、なりふり構わず、被告人あんりへの投票及び投票取りまとめ等の選挙運動を依頼すると共に、その報酬として現金を供与することとした。」

「被告人克行は、平成31年3月下旬から令和元年7月18日頃までの間、自ら県議、市町議、首長らを訪問し、あるいは、被告人あんりと意を通じ合った上で、被告人あんりに訪問させるなどして、明示的に、又は平成31年4月7日施行の統一地方選挙の陣中見舞い、又は当選祝いの名目を用い、暗に被告人あんりへの投票及び投票取りまとめ等の選挙運動の報酬として、公訴事実記載の通り、県議、市町議、首長ら44名に対し、前後62回にわたり、現金合計2140万円を供与した。」

 

すでに小生のブログ内では、

現職議員らの被買収側のリストを過日掲載したが、

40人の現職議員の実名は、そのままであった。

 

初公判内で、検察側は、

「あんり参議院選挙19」というパソコン内のフォルダで

買収リストを管理し、

持参する担当を、夫妻どちらにするかを記載し買収を行ったと指摘。

 

「被告人克行が広島県議会議員等の名簿に、供与対象者や供与対象者毎の、供与担当者を自ら記載したり、供与状況をまとめたリストを作成していた。」

「被告人克行は、公訴事実第1及び第2の金員供与につき、広島県議会議員及び広島市議会議員の名簿に、供与対象者及び供与対象者毎に、供与担当者が被告人克行であるか被告人あんりであるかなどを自ら記載していた。」

「被告人克行は、自己の使用するパソコンで、供与対象者名及び供与金額を記載したリストを作成し、被告人克行の衆議院議員宿舎、被告人克行の議員会館事務所及び両被告人の広島市内の自宅の各パソコン内の「あんり参議院議員選挙19」という名称のフォルダ内に保存していた。」

「被告人克行は、同自宅の自己の書斎内の段ボール箱内に、前記のとおり記載した名簿及び印刷したリストを保管していた。」

 

週刊文春でウグイス嬢への買収が報じられた後の

11月に自宅内等で管理していたパソコンのデータを消去し、

証拠隠滅を図ったとも指摘。

 

「被告人克行は、令和元年10月、本件選挙における被告人あんり陣営の公職選挙法違反を示す報道があったことから、同年11月3日頃、インターネット関連業者に対し、被告人克行の衆議院議員宿舎、被告人克行の議員会館事務所及び両被告人の広島市内の自宅のパソコンのデータを復元不可能な状態に消去するよう依頼した。」

「同業者は、その依頼に従い、同日頃から同月4日頃にかけて、復元不可能な状態に消去可能なソフトを用い、被告人克行の議員会館事務所及び両被告人の広島市内の自宅の各パソコン内に保存されていた前記「あんり参議院議員選挙19」という名称のフォルダ内のリストのデータを同フォルダごと復元不可能な状態に消去した。」

 

また12月頃、

河井あんり氏は、平本徹広島県議会議員へ電話をし

金銭授受はないと口裏合わせを行った。

 

「被告人あんりは、令和元年12月頃、平本徹県議に電話をかけ、同人に対し、公訴事実記載の現金供与事実自体がなかったとの口裏合わせを依頼した。」

 

また、入山欣郎大竹市長、安井裕典広島県議会議員。

木島丘広島市議会議員へも現金を持参し、

受け取りを拒否したとの3名の供述調書の存在も明かした。

 

「被告人克行は、入山欣郎大竹市長に対し、平成31年4月6日頃、本件選挙における投票及び選挙運動の報酬として、現金を供与しようとしたが、同人から受領を拒まれ、現金の供与を諦めた。」

「被告人克行は、広島市議会議員選挙で当選を果たしていた、木島丘広島市議に対し、同月8日頃、本件選挙における投票及び選挙運動の報酬として、現金を供与しようとしたが、同人から受領を拒まれ、現金の供与を諦めた。」

「被告人あんりは、廿日市市選出の広島県議会議員を務めており、自身と県議会議員初当選同期で同一会派に所属していた安井裕典県議に対し、同月15日頃及び令和元年5月16日頃、本件選挙における投票及び選挙運動の報酬として、現金を供与しようとしたが、同人から受領を拒まれ、被告人克行も、同年7月18日頃、自身とは全く付き合いの無かった安井裕典県議に対し、本件選挙における投票及び選挙運動の報酬として、現金を供与しようとしたが、同人から受領を拒まれ、現金の供与を諦めた。」

 

このように、新たな事実も

冒頭陳述内で明らかとなり、

夫妻の悪質極まりない疑惑が、また増えた状況である。

 

また検察側は冒頭陳述内で

 

(政界関係者への買収容疑)

「受供与者の一部は、被告人克行から、現金の供与を受けた前後の時期に、被告人あんりの出陣式や街頭演説会で応援弁士として演説を行って、被告人あんりへの投票を呼び掛けたり、被告人あんりによる選挙カーでの遊説の際に、別車両で先導して被告人あんりへの投票を呼び掛けたりする等の選挙運動を行った。」

「被告人克行及び被告人あんりは、前記各供与の際、各受供与者に対し、領収書の作成や交付を求めたことはなかった。」

「被告人克行及び被告人あんりが、前記各供与の際、各受供与者に対し、自民党の政治活動の支援をしたり、自民党の政策を広めるよう依頼したり、自民党員を集めるよう依頼したりするようなことは無く、被告人克行の政治活動の支援を依頼したり、被告人克行の政策を広めるよう依頼したり、被告人克行の支持基盤拡大を依頼することも無かった。」

「これらの受供与者の多くは、自身の選挙運動費用収支報告書や関連政治団体政治資金収支報告書に供与された現金を記載せずに、選挙運動費用収支報告書等を提出する一方、一部の受供与者は、検察官による事情聴取を受けたこと等から、現金の供与を受けたことが公になることを想定し、違法な現金受供与では無いとの嘘の弁明を行うため、関連政治団体政治資金収支報告書に供与された現金を寄附金等として記載して、同収支報告書を提出した。」

 

(後援会関係者への買収容疑)

河井克行後援会三矢会連合会は、被告人克行の後援会として政治団体の届け出がなされ、被告人克行の選挙時には、被告人克行を当選させるための選挙運動を行っていた所、被告人あんりは、同月10日から同月17日(※平成31年3月)にかけて、5回に亘り、三矢会の集会において、本件選挙への出馬を表明し、同月20日には、記者会見を開いて本件選挙への出馬を表明した。」

「これらの三矢会メンバーの多くは、被告人克行から現金の供与を受けた前後の時期に、被告人あんりの街頭演説の際に被告人あんりへの投票を呼び掛けたり、選挙事務所から渡された名簿を使って有権者に電話をかけて被告人あんりへの投票を呼び掛けたりする等の選挙運動を実施した。」

「被告人克行及び被告人あんりは、前記各供与の際、各受許与者に対し、領収書の作成や交付を求めたことは無かった。」

「被告人克行及び被告人あんりが、前記各供与の際、各受供与者に対し、自民党の政治活動の支援を依頼したり、自民党の政策を広める様依頼したり、自民党員を集める様、依頼したりすることは無く、被告人克行の政治活動の支援を依頼したり、被告人克行の政策を広める様、依頼したり、被告人克行の支持基盤拡大を依頼したりすることも無かった。」

 

等と指摘し、夫妻の買収に関する状況説明を淡々と行い、

領収書が無いこと。

夫妻が主張する買収ではなく、

通常の政治活動の一部との主張に対し

真っ向から反対している。

 

一方、冒頭陳述で弁護側は

 

「克行被告は、自民党の党勢拡大、あんり被告および克行被告の地盤培養活動の一環として、首長、県議らと面会を重ね、政治信条を同じくしていたり、有望で広島の将来を担うと目される地元政治家らに対して、寄附をしたりしたものであって、特に統一地方選に立候補した政治家に対しては、陣中見舞いや当選祝いの趣旨も含め、現金を供与したものである。」

「克行被告は、自身の後援会員らであって、支持基盤を維持するのに重要な幹部や、自らと同じく国政に進出しようとしているあんり被告への支援、支持が期待出来る幹部らに対して、更なる会員の勧誘、後援会の周知活動等、自己及びあんり被告の後援会の拡充のための諸活動をお願いするに当たり、諸費用や手間賃等の趣旨で現金を供与したものである。」

 

とし、

議員らへの金品授受は、

通常の政治活動の範囲内の寄附や陣中見舞い。

後援会関係者への金品授受についても

費用弁済の趣旨であるとして

徹底的に争う姿勢を見せている。

 

また、所謂司法取引が行われた可能性を指摘し、

審理を打ち切るべきとした。

 

「検察官は、現金を供与した買収者として、河井克行被告及び河井あんり被告を起訴しながら、現金を受領した被買収者については、その地位、受供与の金額、回数に関わらず1人も起訴していない。」

「このような処理は、これまでの同種事例の処理例に照らしても著しく均衡を欠くことは明らかであり、公正さを著しく害する偏った公訴提起である。」

「本件公訴提起は違法な捜査によって供述証拠を作り上げ、積み重ねた上でなされたものであり、著しく正義にもとるものである。」

「速やかに公訴棄却により審理を打ち切るべきであるが、仮にその主張が認められないとしても、当公判廷において受供与者などとして証言する者の供述については、違法な捜査手法の下で、検察官の意に沿う供述をしたというに留まらず、これまでの実例および検察実務に照らせば明らかに起訴されるべきであるのに、それが不問に付されるという利益が与えられ続けている限り、その影響が及んでいると評価すべきであり、裁判所におかれては、その信用性について慎重に吟味されることを切望する。」

 

検察と弁護側の主張は

真っ向から対立することとなり、

今後の裁判を注意深く見ていく必要がある。

 

買収報道を受けて

地元首長や、地方議員の辞職も相次いだが、

未だに、河井夫妻は

国会議員の座にしがみ付き、

どう見ても反省した様子も無いようである。

 

また初公判の場では、

買収の原資に対する話は一切無かった。

原資も含め、徹底的に司法の場で、

真実が解明されることが望まれる。

 

過去の河井あんり氏の発言を引用するならば、

「真実を明らかにすることだけが

生き残れる唯一の道」である。

 

一人の人間として、夫妻には

人間らしく生き残れるために

真実を明らかにして頂きたいことを

切に願う。

 

ではでは。