(第156回)全て同列に被買収側の刑事処分を行うべきではない。そして見送るべきではない。
河井あんり氏陣営よる
大規模買収事件。
前回小生は、100名、総額2900万円あまりの
買収先リストを公開した。
しかしどうか
公になった全ての議員や関係者なりを
一律に責めることについては
一考頂ければと思う。
冷静に、この事件を見つめて頂きたいと願う。
小生なりのこの事件に対する考え方を
下記に綴りたい。
買収先については、
河井克行氏、河井あんり氏の
公判が始まれば、
検察側が明らかにし、
裁判の中で、いずれ公のものとなるであろう。
しかし検察側は、
被買収側の刑事処分を見送る方向だと
各メディアは報じている。
これに対し、
世論は批判を強めている。
一律に処分見送りでは絶対に納得できない。
しかし、どこかで線引きを行うべきであると
小生も考える。
第一に、政治資金規正法による
政治団体への寄附という処理は、
領収書が必要であり、
また河井克行氏、河井あんり氏側から
領収書の提出を求められておらず、
この詭弁は排除されるべきである。
その中で
無理やり現金を渡された者も確かに存在している。
その場で突き返したにも関わらず、
玄関先や挙句には郵便受けに
そのまま現金入りの白い封筒を置き去って行ったという証言もある。
また受け取れと高圧的な態度で
現金を渡されたと証言する者もいる。
この場合は、被害者と言えなくもない。
また大前提として
現金をその場で返した者。
後日返金した者は
貰ってはならないお金であることを
自ら自覚し、返金したのであれば
処分見送りも理解されるであろう。
更には、高圧的な態度にも怯まず、
信念を突き通した者は称賛にすら値する。
しかし現金授受が、二回以上あった議員らは
刑事処分の対象とすべきである。
一度目は無理やり渡されたという理屈も通じなくはない。
しかし、二回以上現金を無理やりということは
やはりおかしい。
二回目以降は、十分に警戒出来たはずである。
この詭弁が通じることであってはならない。
また現金の受け渡し場所にも
よると考えられる。
勝手に自宅まで河井夫妻が訪ねて来て
無理やり現金入りの封筒を置いて
逃げるように夫妻は帰っている。
この場合、無理やり渡されたという証言は
密室のため、証明は確かに難しい。
また本当に無理やり渡された者もいるであろう。
しかし、車内や
河井克行氏、河井あんり氏の事務所まで
自らがわざわざ出向いて、その場で現金を渡された者は
無理やり渡されたという詭弁は使えない。
そのまま置いて帰るなりの行動が
出来たはずである。
当初読売新聞に
買収先リストが公開され
後日なりに返金した議員らまで疑われてしまっていることは
確かに気の毒である。
裁判が始まるまで
検察側から公に証言しないように
求められている関係者も確かに存在する。
裁判で、どのように受け渡しが行われたのかを
そして、後日返金をしたかどうか等を
考慮すべきであると感じている。
返金した者に関しては
その行動を評価しても良いとも言えなくはない。
通常、刑事事件の買収捜査の場合は
たとえ5万円であっても立件されている。
議員だけが責められるべきではない。
もちろん、そのまま受けった陣営関係者や後援会関係者も
それなりの罰は受けるべきではないかと考える。
確かに、買収を行った
河井克行氏、河井あんり氏が一番悪い。
そして勿論、それを事件化するまで
黙っていた被買収側も責任はあることは自覚はして頂きたい。
しかし、今回の場合
刑事処分を行うべき者。
刑事処分を見送るべき者。
その両方が存在することは
冷静に見ていく必要がある。
全て同列に処分見送りは
やはりどう考えても納得は出来ない。
無理やり渡されたとの証言も確かにある。
その中であっても、信念を持って返した者もいる。
この返金した上で、
不正を行った河井あんり氏陣営に協力しなかった者は
処分見送りであっても良いと小生は思う。
返金はしたが、河井あんり氏を応援した者は
不正を行う候補者を認めたことと同じであり、道義的責任は残ると考えられる。
二回以上にわたって現金の授受を認めた者。
自宅ではなく、自ら河井事務所なりに出かけた者。
車内や路上で現金を受け取った者。
これらは、処分を是非考えて頂きたい。
検察側は、
裁判で被買収側、そしてそのやり取りをしっかりと公開し、
国民感情に配慮した処分のあり方を
是非考えて頂きたい。
そうでなければ
今後、無理やり渡されたと証言しさえすれば
お咎めなしと公にしたも同然であり、
これまでの各買収事件との整合性も
取れなくなる。
裁判後でも、各議員らは
自らの言葉で真実を述べる必要がある。
その中で、返金した者には
堂々と証言し、議員活動をまた続けて頂きたいとすら願う。
そして、今回公になった者だけを
悪者にしてもならない。
黙って未だに否認を続ける者
即ち逃げ得を絶対に許してはならない。
しっかりと膿を出し切るために
検察には信念を持ち、
後ろ指を刺されるような捜査にならないように
今後も全力を尽くして頂きたい。
そして疑惑が上がった者は、
裁判により事実が公表された上で
説明責任を果たすべきである。
検察が処分しないのであれば、
我々は民意という力で、
道義的、社会的責任を取らせるよう
行動しなければならない。
ではでは。