(第136回)進む捜査。違法性の認識はあったという数々の証言。
昨年夏の参議院議員選挙を巡る
河井あんり氏陣営の数々の疑惑。
複数の県議や地方議員、首長や、後援会幹部や運動員に対し
買収が行われたのではないかとの疑惑を
メディア各社は連日報道している。
各メディアは、直接議員らへの取材を行い、
その数、数十人。
また総額は朝日新聞が700万円余りと報じ、
NHKは2000万円とも報じている。
また今年1月の河井夫妻の自宅マンションへの家宅捜索で
買収先等を記載したとみられるリストが押収されているとの
報道も連日行われている。
実際には、検察の事情聴取を受けておきながら否定し、
また検察の取り調べに虚偽の証言をしている議員も多いという。
各社数十人の把握が大勢だが、
小生の聞き及んだ数とは大きな開きがあることは事実である。
一人で数千万受領しているのではないかと噂されている人物もいるようで
検察は徹底的に捜査を進めていると感じている。
そうした中、
各紙が
河井克行氏への立件へ向けた検討を始めたと報じている。
立件へ向けたハードルは高いのではないかと証言する者も多い。
河井克行氏側、あんり氏側は、
買収ではない。
あくまで陣中見舞い的なものである、
また単なる寄附だと詭弁を言い
なんとか逃れようとしていることは容易に想像つく。
こうした現金の授受は、
政党支部間や後援会同士の寄附という形を取り、
政治資金収支報告書へ、その寄附額や日付等を記載すれば
合法となる。
しかし、現金授受を証言している議員や関係者の証言では
河井克行氏、河井あんり氏側から
領収書の提出を求められることもなく
また発行もしていないとしている。
これが事実であれば、寄附という詭弁は通らないことになる。
またそれを裏付けるように
参議院選挙での応援の見返りと感じたと証言する者も多い。
これまで、選挙の関係とは別に
毎年、河井氏側から寄附を貰っている議員等は、
今回の選挙のための買収ではないと
逃げることが出来ないこともないかもしれない。
しかしこれまで河井氏側から
寄附を貰ったこともない議員が、
今回金銭の授受を受けていると証言している中、
この言い訳もなかなか説明がつかない。
いきなり今回だけ寄附を貰うことの意味が
どういったものか説明できるはずがない。
小生も証言を行ったとされている議員らの
過去の政治資金収支報告書を確認したが
これまで河井氏側の政治団体から寄附を貰っていない議員が大勢いた。
こうした捜査も進んでいることが予想される。
また、一番大きな証言、そして動きは、
小坂眞治前安芸太田町長の
責任を取った辞職であると考えている。
小坂前町長は、検察の任意の取り調べを受けたことを認め、
また選挙前に河井克行氏から現金20万円入りの封筒を貰った。
その際の会話で
「保守票を二つに割ることが出来れば二人当選する」
等の河井克行氏の証言を述べている。
また、後日、寄附という形を取るため、
自身の後援会の政治資金収支報告書へ記載し、
領収書を河井克行氏側に送り、何とか逃れようとしたと思われる。
しかし、辞職へと追い込まれている。
そして辞任の際、
マスコミの取材に対し、
「当初の政治資金で…という安易な思いが
成り立つはずがないと深く反省している」
とコメントしている。
このコメントは、
非常に大きいものになると考えている。
政治資金でという考えは成り立たない。
一旦は寄附という形をとった小坂前町長でさえ
この詭弁は通らないと
公に証言したことになるからである。
検察は、買収の意図を
明確にするため、
複数から証言や調書を取り、
証拠の積み上げを行っていると考えられる。
少しずつ、しかし確実に
検察は捜査を進めている印象を持っている。
外野も騒がしくなっているが、
静かな闘志を最後まで持って頂き、
どうか、正義は正しいことを
検察には証明して頂きたいと願う。
ではでは。